湘南お天気相談所
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湘南に雪



 
一昨日(1999年1月7日)の夜から,北海道から九州にかけての日本海側を中心に大雪になっていますね。北海道の上空約5000mにはマイナス45度,輪島の上空でもマイナス40度にも達する非常に強い寒気が入っています。

 そして,驚いたことに私の住んでいる茅ヶ崎でも1月8日の12時前後と14時前後に雪が降りました。

 もちろん,湘南で雪が降ることはそれほど珍しいことではありません。ただ,関東地方で雪が降る場合の気圧配置は,日本の南を低気圧が通る「南岸低気圧」タイプが主です。少なくとも,私が湘南に住み始めて11年目の冬を迎えますが,冬型の気圧配置で雪が降ったのは初めてではないでしょうか。
雪雲1


 上の写真は,茅ヶ崎の海岸から江ノ島方向を望んだ写真です。灰色の雲から雪が落ちているのが分かります。このように,積雲(または積乱雲)から雪が降るため,雪が降っているところと降っていないところがあるのが冬型の気圧配置で雪が降る時の特徴です。

雪雲2
 この写真は,海岸から北の方向を見たものです。発達した雄大積雲が列状になっていることが分かります。冬型の気圧配置の時の雪雲はしばしばこのように列状になり,列から外れた地域とその下の地域で積雪量が大きく違うことがあります。今回は,降雪の時間が短かったので,積雪までには至りませんでしたが。  それでは,この雪雲を気象衛星から見るとどうなっているのでしょう? 

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梶川さんのHPではもっときれいな極軌道衛星の画像が見られます


 非常に強い雪雲が達している若狭湾から更に東南東に白い雪雲が広がり,その東側の伊豆半島の付け根から東に伸びる線状の雲が伸びているのが分かりますか?これが,上の写真で見られる列状の雲の衛星写真です。

 通常はこのように日本海の筋状の雲が関東に達することはありません(だからこそ,冬型の気圧配置の時は関東地方は山沿いを除いていつも晴れなわけです)。それでは,何故今回は雪が降ったのでしょう?

 もちろん,まず今回の寒気が非常に強かったため,日本海側の雪雲の雲頂が高かった事が考えられます。事実,12時の雲解析図を見ると若狭湾付近の雲頂は440hPa(約6000m)もあって,このような雲が日本アルプスを越えてきたと考える事もできます。

 ところが,毎時間の衛星写真を何枚か見てみると,若狭湾付近の雪雲から離れて伊豆半島の付け根付近から雪雲が発生している写真がありました。この写真や,アメダスの風向のデータから,日本アルプスを回り込んだ風が風下で収束して再び雪雲を発生させているのではないかと考えています。

 もちろん,冬型の気圧配置になったからといっていつも湘南で雪が降るわけではないことから,今回の寒気が非常に強いため,大気の状態が不安定であることや,水蒸気量が多いことも大きな要因であることには変わりがないとは思いますが。

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