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2001年冬の降雪

 今年の冬は雪の日が多かったと感じている人が多いようです。実際にはどうだったのでしょうか?
 下の表は月ごとの雪の降った日と、その原因となった気象現象を示したものです。

1月2月3月
1月 7日南岸低2月 7日南岸低3月 2日寒気場内
1月 8日南岸低2月 8日南岸低3月 8日寒気場内小低
1月20日南岸低2月14日強い寒気3月12日南岸小低
1月27日南岸低2月16日寒冷前線通過3月13日南岸小低




3月31日南岸低
1月平年2.7日2月平年3.5日3月平年2.2日
初雪 平年1月 2日 終雪 平年3月11日

 この冬の降雪日数は13回、平年では8.4回ですから、確かに多いです。ただし、雪は気温の低い夜間に降ることが多く、日付を超えて降った場合には1回の降雪でも二日と数えられますから、回数で言うと10回になります。

 原因となる気象現象のうち、「南岸低」と書いてあるのは関東地方の南海上を低気圧が通った場合で6回。このパターンでは南から湿った空気が入るために、雪か雨かの予想が非常に難しいですが、雪になった場合は降雪量が多くなりがちで、1月27日は関東甲信地方で大雪となったのは御記憶にあると思います。私はこの日スキーに出かけてえらい目に会いました(^_^;)。

 関東地方で雪が降るのはこの「南岸低」の場合がほとんどと言って良いくらいです。

 ところが、今年はちょっと変わっていて、「寒気場内」で雪が降っています。「寒気場内」というのは要するに「西高東低」の冬型の気圧配置の時ですので、通常は関東地方は晴れます。

2001年3月2日午後3時の天気図

 例えば、上の3月2日の気圧配置を見ていただければわかるとおり、低気圧は日本の東に去り、関東地方は冬型の気圧配置になっています。ところが、この日関東地方上空約5000mにはマイナス30度以下のこの時期としては強い寒気が入ってきていました。このため大気の状態が不安定となり雪が降ったというわけです。

 寒気場内で雪が降ったときの原因には、他にも小さな低気圧が発生するなどメソスケールの現象が原因となったものがありますが、このように冬型の気圧配置でも雪が降ったのが今年の特徴といえます。

 では今年、このように雪の日が多かった根本的な原因は何でしょう。
 日本の南岸を低気圧が通ることが多いということは、寒気があまり南下しなかったということを示します。一方、強い寒気による不安定でも雪が降っていますので、これは強い寒気が関東地方まで達したということを意味します。これらを総合すると、今年の冬は強い寒気が入るときは関東地方まで達し、そのほかの寒気が弱まった時期は、ちょうど低気圧が日本の南海上を通る程度の弱まり方であったということになります。

これが単に偶然が重なっただけなのか、地球温暖化によるものなのかは今のところ良く分かりません。

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