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上層と下層の雲の流れ


 先日、某所で講演をしたところ、台風付近の下層では反時計回りに風が吹き込んでいるが、上層では時計回りに噴き出しているのが、衛星写真を見ても良く分からないという質問をいただきました。

 昨年の台風第26号が日本のはるか南にある時の雲の動きを見てみましょう。

 可視画像では、上層の雲(巻雲など)は薄く見えるので、真っ白な積乱雲や台風の周りの低い積雲などがよく見えます。  水色の矢印のとおり、台風の中心付近では反時計回りに雲が回っており、台風の中心から離れたところにある積雲も大きく反時計回りに回っているのが分かります。

VIS20131014-s.jpg

動画(約2.7MB)で見てわかりますか?


 一方、赤外線画像では、上層の雲は温度が低いので真っ白に見えます。台風の北や南にある真っ白な雲は、赤い矢印のとおり、反時計回りに外に広がっていくのが分かります。更に中心付近を見ても、円弧状の雲が徐々に外側に広がっているのが分かります。
時計回りに回っているのが分かります。
IR20131014-s.jpg

動画(約2.8MB)はこちらです。



 もう一つ、台風が通り過ぎた後に空を見ると上の雲と下の雲が違う方向に流れていたと生徒さんが話していたが、どういうことかという質問もいただきました。

 上と同じ台風第26号が関東の南を通り過ぎる時の雲の動きを見てみましょう。これは赤外線画像だけで分かります。台風が通り過ぎた日本海や西日本では、水色の矢印のとおり薄いグレーの下層の雲が北から南に向かって流れています。一方、上層の真っ白な雲は赤い矢印のとおり南から北に向かって流れています。下層では台風の中心に向かって風が吹いているのに対し、上層の雲は偏西風で流されているためにこのようなほぼ逆向きの雲の動きになっているというわけです。

IR20131016-s.jpg

動画(約3.1MB)はこちらです。

 ちなみに台風の東側では下層でな南東から北西に向かって雲が動いているのに対して、上層では南西から北東に向かって雲が動いています。このように、台風や温帯低気圧の周りでは上層と下層の雲の流れが違っているのです。



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