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本物はどうなってる？

　矢野予報官、ジュネーブのＷＭＯ（世界気象機関）へ異動ですかあ。まあこのドラマが荒唐無稽なのにはある程度慣れましたが(^_^;)。あの歳で一度もＷＭＯでの勤務経験なしで採用されることはまず無いでしょう。研修なんか受けてるシーンも出ますが、研修が必要な人を呼んだりはしないそうです。

　その上、「好きな研究が出来るんでしょう？」とか元妻に言われていますが、ＷＭＯは研究機関ではありません。気象庁から行ってＷＭＯでやる仕事と言えば、気象の専門化として開発途上国などの気象業務の整備のお手伝いなど。好きな研究がしたければつくばにある気象研究所に行くか、気象庁を辞めて大学の研究室に行くという手があります。ＷＭＯでは好きな研究なんか出来ません。

　この人事の件を総務部長から直々に言われるシーンがあります。普通はこういう話しは予報課長からあります。少し大事な話しで予報部長からということもありえない話しでは無いかもしれません。でも、総務部長ねえ･･･(^_^;)。このドラマの脚本は総務部長のチェックが入っているそうですから、出演したかったのかもしれませんね(^○^)。
　その割に、冴えない総務部長でしたが。

　総務部長と次長（ドラマでは副長官）は気象庁の叩き上げではなく、運輸省からの出向という形でなるのが今までの通例です。気象庁には珍しい「官僚」的な雰囲気を持った方が多く(^_^;)、ドラマに出てきたような「おっさん」ではありません。

　第３話の回では実際に気象庁内で撮影が行われた場所を紹介しましたので、今回は撮影に使われなかった場所を紹介します。

会報
　ドラマにはしばしば出てくる会報のシーン。予報現業室で行われますが、予報現業室をドラマの撮影に使うわけにはいきませんので、あのシーンはセットです。

　これが実際の会報が行われている写真です。予報作業を行う現業室がドラマと違って意外と広々としていると思いませんか？
　ドラマと同じように７０インチの大型スクリーンを前に、当日の当番の責任者であるＰ当番（矢野予報官が担当しているＦ当番ではありません）が説明しているところです。
　この大型スクリーンは、紙の天気図を写すことができる実射投影機だけでなく、予報作業を行う予報作業支援装置、大型計算機に接続されているワークステーション、気象衛星画像提供装置などと接続されていて、それらの画像を切り替えて写すことができます。ドラマでも、気象衛星画像が写されるシーンがありましたね。
F当番席
　下の写真は矢野予報官が担当しているF当番の作業用デスクです。　コンピュータが全くないように見えますが、椅子の背中側に通信用端末、気象衛星画像の端末などがずらっと並んでいます。

　前のホワイトボードに張ってあるのは気象業務支援センターから部外に配信されているものと同じ数値予報天気図です。１２、２４、３６、４８、７２時間後の地上、５００ｈPa、７００ｈPa、８５０ｈPaの天気図などがあります。机の上には、数値予報から求められた「ガイダンス」と呼ばれる資料や局地天気図などが置いてあります。
　「ウェザーライン」のＨＰに予報官の席においてある専門書の事が書いてありますが、予報官席には専門書の類は置いてなくて、手元の本棚においてあるのは、発表した予報、注意報・警報などを閉じるバインダや予報作業に使った資料ばかりです。ドラマで使われているような専門書もないこともありませんが、それは少し離れたガラス戸の書棚に入っています。専門書を見ながら予報作業をするような事はありません。そういう事は既に頭の中に入っているというわけですね。
　あ、そうそう、ＦＭソフィアを聞くための大きなラジオも机の上には載っていません(^_^;)。
　番組も終盤に近づいて撮影が大変なようです。先日はついに平日の朝、気象庁ロビーで撮影していました。予報課の若手職員の中で須藤郁子の叫び声を聞いた人がいるそうです。

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