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1月 冬型の気圧配置



 この年(1997年)は9年続きの暖冬の年で、冬期間を通した平均気温は高かったのですが、そういう年でも冬型の気圧配置は何度か現れています。

 では、まず「広域(アジア太平洋域)の赤外画像」を見てみましょう。

 いきなり1月1日から2日にかけて北日本を低気圧が通り、その後は冬型の気 圧配置になっています。 低気圧の雲は、白く比較的まとまった雲で、回転しているのが分かりますね。 また、寒気の吹き出しの雲は、海上にある筋状(日本海の雲は筋が分かりづらいですが)の雲です。

 この筋状の雲ですが(「筋雲」と言うと巻雲になってしまいますので気を付け てください)、積雲やその発達した雄大積雲、積乱雲などでできています。 筋状の雲は日本海だけではなく、太平洋側にも沢山出ていることが分かりますね。

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 日本から少し離れたあたりを見ると筋状があまりはっきりしなくなり、蜂の巣状の雲域となっているのが分かります。 これを、ベナールセル型対流といい、シリコンオイルをケーキ皿に入れて下か ら加熱することによって再現できます。が、こんな面倒な実験をしなくても、普段私達が食べている味噌汁をじっと見てみてください。細胞型の対流が起こって いるのが分かります。

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 ところで北海道の皆さんにとっては珍しくもないこの「冬型の気圧配置」によ る雪ですが、実は、低気圧が通り過ぎて高気圧が張り出してくるという、本来で あれば天気が良くなるはずである気圧配置です。

 ところが、日本という国が大陸から海を隔てて少し離れ所に位置するために、大陸から非常に乾燥した冷たい空気が吹き出し、それが暖かい日本海で暖められ 水蒸気を補給して対流が起きて、その雲が日本に雪を降らすということになっています。

 こういう原因で大雪になる国・地域というのはそれほど多くありません。先進 国ではアメリカ東岸の5大湖周辺が(この場合、湖が日本海の役目を果たします) 有名です。 また先日、ヨルダンの人と話したところ、同じように、地中海で水蒸気を補給した 寒気がヨルダンで雪を降らすという話を聞きました。
 長野オリンピックが冬季オリンピックとしては最も緯度が低い地域で開催でき たのもこういう理由によります。

 寒気がどれくらい強いかは、沿海州の海岸線から筋状の雲までの離岸距離がど れだけあるかで分かります。寒気が強いほど、海岸線の直ぐ近くから筋状の雲が 発生しています。

 低気圧が近づいてくる時は筋状の雲がなくなり、低気圧が通り過ぎると筋状の 雲が湧いてくる(例えば17日から18日にかけて)のが分かりますね。

 それでは、もう少し日本付近を拡大してみてみましょう。日本付近の画像は1 9分10秒から始まっています。

 しばらく何度も見ていると、ある決まった場所に筋状の雲がかたまっているの がお分かりになりますか?例えば、10日、18日、23日、29日の日本海を見て下さい。

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 朝鮮半島の付け根の東側から若狭湾に向かって、他の領域よりも雲がまとまっ て流れていきます。  これは「帯状収束雲」などと呼ばれ、この雲が達した北陸地方ではしばしば大雪となります。この雲域の風上には長白山脈があり、この山脈を回り込んだ空気の流れが収束するため発生すると考えられています。下の図は,数値予報で求められた風の場です。ちょうど帯状収束雲のところに風が収束しているのが分かりますか。
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 次に21日から23日にかけての動画を見てください。

 低気圧が日本の東に去った後、この冬一番の寒気が入ってきました。離岸距離 はほとんどありません。21日の3時ころから北海道の南西に小さな渦が発生し 21日の23時ころ新潟県付近に上陸しています。これは、温帯低気圧よりもず っと小さな雲の渦ですが、雲の色が非常に白いことから雲頂が高いことが分かる ように、非常に発達した積乱雲でできており、大雪を降らせます。

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 この例では小さな渦は本州に上陸していますが、北海道の日本海側ではしばしばこのような 低気圧が現れ、「石狩湾小低気圧」などと呼ばれ、昔から大雪をもたらす現象と して注目されていましたが、気象衛星写真が見られるようになって、石狩湾だけ ではなく、北日本の日本海側にしばしば現れていることが明らかになりました。

 22日はつくば市の上空の気温が−44.5度まで下がり、大阪や京都でも大 雪となりました。
 同じ時期の今度は朝鮮半島の南にある済州島の風下を見てみましょう。21日 1時ころからちょっと変わった渦のような物が沢山できているのが分かりますか? これは「カルマン渦」と呼ばれる現象です。この現象は簡単に自宅で再現できます。
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 下の写真は自宅で行った実験の写真です。水槽に水を入れ,写真に写りやすいように牛乳を少し入れて白くし,その中に墨汁を垂らしました。その中を箸をすーっと動かすと,箸の後ろ側には左右に交互に渦が現れました。

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