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2月 春一番



 今月は温帯低気圧の雲を見てみてみます。できればコマ送りしながら見てください。
 2月16日0時(時刻はビデオの右下に表示される協定世界時です)アジア太平洋域の赤外画像を見てください。東海地方の南には前線を伴った低気圧があって、東北東に進んでいます。
 12時には、低気圧は三陸沖に進み、閉塞しています。雲には、閉塞した低気圧特有のカギ状の部分が現れています。
17日0時には、低気圧は北海道の直ぐ西まで進みました。閉塞前線が長く伸びて、閉塞点はは北緯40度、東経156度付近です。そこから、温暖前線は南東に、寒冷前線は南西に伸びています。関東地方付近から真東に伸びる白い雲は巻雲です。
12時になっても低気圧の中心はほとんど移動してません。低気圧の中心付近は寒気に覆われ、低気圧はほぼ発達を終え、閉塞前線は中心から離れてきました。

この例では違いますが、閉塞点に低気圧がまた発生し、それが閉塞して、また閉塞点に低気圧が発生する、というように次々と低気圧が発生することがあります。
 この場合、最初の低気圧を「親」閉塞点の低気圧を「子」と言ったりすることもあります。「台風一家」は間違いですが(^_^;)、「低気圧一家」というわけですね。

 ところで,下の絵を見て下さい。

教科書

 これは中学2年生の息子が使っている「学校図書」という出版社の「中学2年 第2分野 下」に載っています。このような絵はしばしば目にしますが,今回説明した気象衛星画像を見てもこのような「人」の字のような形はしていませんね。それなのにどうして教科書にはこのような絵が載っているのでしょう?

ビヤークネス

 この図はビヤークネスとゾルベルグという人が1921年に発表した論文に掲載した図です。この論文は,低気圧を気団と前線を用いて説明した当時としては画期的なものだったのですが,あまりにも優秀だったために現在でも使われているのだと思います。自然を観察するときは先入観を持たず素直にそのものをしっかりと見る様に気を付けたいものです。

 それでは、もう少し拡大して日本付近を低気圧が通る時の画像を見てみましょう。

20日
00時
20日
06時
20日
12時
20日
18時
21日
00時
21日
06時
21日
12時
21日
18時

 日本域画像の2月20日からの雲の動きを見てみましょう(21分50秒ころ)。この時の雲は、上で説明したような典型的な低気圧の雲とは少し違っています。これは、地形などによって、雲の形が乱されるためです。
 2月20日00時には沿海州南部に低気圧が発生しています。まだ、前線ははっきりしていません。 夜になると(12時ころ)寒冷前線に対応する真っ白な積雲が西日本を通過します。この直前、関西地方ではこの年の春一番が吹きました。
 18時には低気圧は北海道の西に達し、その後低気圧は閉塞しはじめます。寒冷前線の後面には、強い寒気の吹き出しに伴う筋状の雲が発生しています。
 寒冷前線は中部地方まで進み、このあと、関東地方でも春一番を観測しました。
 21日の0時には閉塞点に低気圧が発生し(これが,上で書いた「子」です)ました。寒冷前線は関東地方まで達していますが、雲ははっきりしません。
 実は、中部山岳によって寒気が塞き止められて、地表の寒気はまだ関東地方まで進んでいません。それでも、大きな目で見れば(これを総観規模と言います)、寒冷前線は通過しているといって良いので、天気図では寒冷前線は関東地方に引かれています。
 このあと、日本海のみならず太平洋にも筋状の雲が多量に発生していることから、寒気が非常に強かったことが分かります。しかし、これも長続きせず、また次の低気圧が接近してきます。

「春一番」というと、キャンディーズを思い出す方も多いと思いますが(^○^)、元々は長崎県の壱岐の漁師が、春の初めの強風を恐れて呼んだものと言われています。
 この由来から分かるとおり、低気圧が日本海を発達しながら通過する時に吹く強風のことを言います。それほどのどかなものではないですね。また、低気圧が発達しながら通るため、低気圧が通り過ぎた後は寒気が入り、また冬へ逆戻りとなります。


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