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8月 台風の一生(その1)


 それでは、台風の一生をもう一度ゆっくり見てみましょう。  8月に入ると日本の南海上や南シナ海で次々と台風が発生します。

 5日
00時
 では、5日頃の北緯10度東経160度付近を見てください。沢山の積乱雲が集まっていますが、回転しているようなそうでないような。これが、「低圧部」です。
 7日
12時
 これが、7日になると、回転中心がある程度はっきりしてきました。これが「弱い熱帯低気圧(Tropical Depression)」です。この回転は急速に強まり、9日12時には最大風速が34ノット以上あると判断されて「弱い台風13号(Tropical storm)」となりました。
10日
18時
 10日16時には目もはっきりしてきました。この時点で中心気圧は980hPa、最大風速は55ノット(Severe Tropical Storm)です。台風の中心気圧や最大風速は、実は実際に観測して得られることが少ないので、雲の形との統計から求められます(詳しくはこのページで)。
12日
12時
 最も発達したのは、12日12時〜13日6時で中心気圧は915hPa、最大風速は100ノット(Typhoon)。
 中心付近に入りこむ雲の列をスパイラルバンドと呼びます。積乱雲の列です。 この雲が中心付近に集まるために、台風は勢力を維持することができます。
 また、中心付近にはアイ・ウォールと呼ばれる目を取り囲む積乱雲の壁ができています。これらの雲が大量の雨を降らせます
 中心に入り込む雲だけでなく、外に出ていく雲もあるのが分かりますか?これは、上昇気流によって発生した積乱雲の頂上が成層圏に達して、巻雲となって外に出ていっているのです。
 ちょっと難しい言葉で言うと、下層収束・上層発散が見られるわけですね。
15日
00時
 台風はゆっくり西北西進します。これは、北東貿易風によって台風が流されるためです。なかなか北上しないということは、太平洋高気圧の勢力が西に伸びているためということができます。
 非常にきれいな形をしていた台風13号も、北緯20度より北に来ると、その形が崩れてきました。
 台風のエネルギーは海水面から水蒸気として補給されますが、海面水温が下がると、十分な水蒸気が補給されません。その水温の境目は約26度。
 形が崩れるとともに、台風の目の中心が、直線的ではなく、進行方向に向かって左右にゆれるようになってきました。これを「トロコイド運動」と言います。このような時は、台風の中心位置を決める際にも、目の中心ばかりを追わず、大きな回転の中心を台風の中心とします。
17日
00時
 台風13号は17日、沖縄本島に最も接近しました。この時点でも、台風の中心気圧は945hPa、最大風速は85ノット。那覇では最大瞬間風速が45.6m/s。お盆の帰省客の足に大きな影響を与えました。
20日
00時
 その後台湾の北を通って、中国大陸へ。
 上陸すると、地表面から水蒸気の補給がされないので、急激に弱まり、「弱い 熱帯低気圧」となります。台風13号は20日00UTCに「弱い熱帯低気圧」になりました。
 これで台風の一生は終わりです。

 ところで、台風は必ず「弱い熱帯低気圧」となってその生涯を終えるというわ けではありません。
 9月のページではそちらのお話を。



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